スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

本社を出されて触れた異文化 米国流の合理主義が 危機を乗り越える原動力に  2015.06.22





本社を出されて触れた異文化
米国流の合理主義が
危機を乗り越える原動力に


持田 農夫男(もちだ・のぶお)氏
[日立製作所取締役]





今週の言葉


 経営者になるとは、全く思っていませんでした。

 日立金属で技術者として生きるのは居心地が

 良かったし、そのまま60歳まで勤めれば一つの

 完結した人生になるかなと。

 経営の一翼を担うことになった際、何が評価された

 のか振り返りました。

 思い当たったことは、異文化体験に恵まれたこと

 です。


 31歳の時、私は米国に追い出されました。

 組合活動に力を注いでいたので、会社からすれば

 目障りでしょう。義理の親父は事業部長、仲人は

 工場長という立場で突っ張っていましたから。

 追い出されたのは、いわばパニッシュメントですね。


 日本人は私だけ。組合活動で英会話の研修を

 さぼっていたから、英語も話せない。

 それでも本社は、何とか立て直せと命令してくる。

 現地社員の帰宅後や土日を使って、生産性改善など

 何でもやりました。休んだのはクリスマスだけ。

 その努力のかいあって、1年半で黒字になりました。

 これが、経営者としての私の原点です。

 日本の大きな組織にいたら、経営の勘を若くして身に

 付けることはできなかったでしょう。

 特に、米国的な合理主義は、その後の会社人生に

 おいて重要な判断基準になりました。


 日本に戻りしばらくすると、また外に放り出されました。

 日立金属が住友特殊金属を買収してNEOMAXをつくった

 時に、常務として転属したのです。

 ところが、業績が回復すると、再び日立金属に兼務で

 呼び戻されました。その1年後の2006年に、社長になり

 ました。


 日立金属の社長時代に一番苦しかったのは、リーマン

 ショックです。


 事業規模をもっと拡大する必要性を痛感したのは、

 この時です。リーマン前には7000億円ほどあった売り

 上げは、5500億円程度までしか戻りません。

 1兆円はないと、経営は安定しないと考えました。

 その後の日立電線との合併は、こうした流れの中に

 あった話です。


 今、私は日立金属の親会社である日立製作所の取締役

 として、監査委員をしています。

 リーマンショックを乗り切った功績が評価されたのか、

 2010年から昨年まで日立製作所の副社長としてグループ

 経営に携わりました。

 




日立製作所取締役 持田 農夫男 氏

日立製作所取締役 持田 農夫男 氏

「日経ビジネス」 2015.06.22 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.22





キーワード

キーワードは、 異文化体験 です。



持田さんは若い時から、海外へ出されました。
しかも、日本人は持田さん一人。
そんな追いつめられた環境の中に(?)放り出され、
本人がどのように解決するか、会社は試したのでしょう。


将来、会社を支えていける人物かどうか見極めるため
だったのかもしれません。


こうした状況で、本人がどう感じ、どう行動するかで現状
が好転するかさらに悪化するか、決まります。


持田さんの体験とは大きく異なりますが、私にも異なる
意味の「異文化体験」があります。


20年近く勤務した会社が、合併することになりました。
吸収合併された会社に在籍していた私は、そこで経理を
担当していましたが、在庫管理・出荷業務の現場に出され
ました。それもその現場の責任者ではなく、肩書だけ課長
でも、在庫出荷作業員の一人としてです。


持田さんが言われた「パニッシュメント」です。
いえ、私にとっては左遷でした。
退社するか、不当な異動を受け入れるか、の2つの選択肢
しか残されていませんでした。


私は異動を受け入れました。
通勤時間は、ドア・ツー・ドアで片道2時間半、往復で5時間
でした。しかも、忙しい時期は、夜11時頃になることもしば
しばあり、帰宅時間は午前1時過ぎになることもありました。
睡眠時間は数時間で、早朝出勤が当たり前でした。


異動当初、現場では周囲の人たちから冷ややかな態度を
とられ、四面楚歌の状態でした。


一時、このままでは精神的に参ってしまうので、いっその
こと退社してしまおうかと考えたことがあります。
ですが、思いとどまりました。


今は逆風が吹いているが、いつか必ず、逆風が止む時が
来る、と考え直したからです。


考え直すことができたのは、家族の理解と協力があった
からです。


ふたまわり近く若い人たちと、在庫出荷業務に精を出す
ことに決めました。開き直りでした。


最初は皆から敬遠されていましたが、黙々と皆んなと
同じ作業(必ずしも仕事とは言えない)をしているうちに、
周囲の態度に変化が現れてきたことに、気づきました。


たわいない話でも、若者たちが気さくに声をかけてくれる
ようになったのです。いつの間にか「ラポール(信頼関係)」
が築かれたのでしょう。


心が通じあうようになったのです。
今、振り返ってきますと、自分にも本社にいたという驕り
がどこかにあったために、周囲から冷たい目で見られて
いたのかもしれないな、と反省しています。
そんな気持ちを見透かされていたのでしょう。


そうした気持ちや態度が、周囲の人たちを遠ざけていた
理由だったかもしれません。


結局、現場には1年半いました。
会社は、私がすぐに音を上げ、自己都合退職するものと、
たかをくくっていました。


ところが、一向に辞職しようとしない私に、リストラのため、
会社は割増退職金を支払うという条件を出してきました。
私は、退職勧告を受け入れ、退職しました。


現場で一緒に働いた人たちは、私が現場を去ることに
残念がってくれました。現場で働いていて、こんなに嬉しく
感じたことはありませんでした。


今では、そうした貴重な体験をしたことを誇りに思って
います。リストラされましたが、それ以上に大切なことを
学んだからです。年齢差は関係なく、現場の皆んなに溶け
こんでいこうとする姿勢が大切なのだ、と実感しています。


こうした体験から学んだことは、本を読んだり、他の人から
話を聞いただけでは、決して得られないことです。


無駄ではなかった、とつくづく感じています。




ポイント

ポイントは、
 経営者は生まれるのではなく、作られる
です。



持田さんは、日本人は持田さん一人の会社に「追い出され」
ました。「社員30人ほどの大赤字の町工場に、肩書も権限
も与えられないまま放り出された」(P.001)そうです。


そんな最悪の条件下で、持田さんは必死に考え行動し、
「休んだのはクリスマスだけ」で、「1年半で黒字になりました」
と語っています。


それが、「経営者としての私の原点」と述べています。
会社は持田さんならできると見込んで、事に当たらせたと
思います。持田さんは腐らず、現状に真正面から対峙し、
何がなんでも成し遂げてみせる、という強い決意で臨んだ
と思います。


そのように考えますと、経営者は生まれるのではなく、
作られるのだ、という気持ちがいっそう強くなります。


あなたはどう思われますか?






今週の言葉(『日経ビジネス』の有訓無訓から)


今週の言葉バックナンバー


本当に役に立つビジネス書


スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
検索フォーム

プロフィール

日経ビジネスファン

Author:日経ビジネスファン
藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

新・大前研一名言集(改)日経ビジネスのインタビュー(FC2ブログ版)医師、看護師、薬剤師の秘密などのブログを運営しています。

このブログは、30年近く年間購読している『日経ビジネス』の有訓無訓から印象に残った言葉をご紹介するブログです。

優れた経営者が発する言葉には、実績に裏打ちされた重みがあります。私だけではなく、きっとあなたも刺激を受けることでしょう。

『日経ビジネス』は週刊誌ですので、週に一度は必ずブログを更新します。その他、関連したことなどがあれば、掲載していく予定です。

よろしくお願いします。


   藤巻隆(ふじまき・たかし)

カウンター

スポンサード・リンク

typeの人材紹介

ランキング

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村

カテゴリ

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

サイト内ランキング



話題のダイエット

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ビジネス
1523位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
367位
アクセスランキングを見る>>

アマゾン・サーチボックス

スポンサード・リンク

 

フルーツメール

スポンサード・リンク

アクセスランキング

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

アクセスアップ

アクセスアップのために、これらを使ってみてください。オートサーフですから手間いらずです。

リンク

このブログをリンクに追加する

最新トラックバック

最新コメント

今週の言葉(『日経ビジネス』の有訓無訓から)

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。