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「棄民」の構図は繰り返す 中立性保てぬ専門家 広域疾病に無防備な日本 2014.12.08



「棄民」の構図は繰り返す
中立性保てぬ専門家
広域疾病に無防備な日本


山田 真(やまだ・まこと)氏
[八王子中央診療所理事長・小児科医]




 医師として駆け出しの頃、アルバイトで働いて

 いたのが東京・上野に当時あったホームレス

 の人を診る診療所でした。

 社会的に弱い立場にある人たちに対しては、

 医療というのは無力に近い。病気そのもの

 より、背後の社会状況が変わらなければ患者

 さんは救われない、と強く感じるようになりました。

 自分の使命とは、なかなか医療を受けられない

 人にも関わっていくこと。そうした思いで森永

 ヒ素ミルク中毒事件や水俣病の被害者支援に

 携わりました。そこで、中立であるべき医者など

 の専門家が企業と癒着し、被害を矮小化する

 ような発言や判断を行うのを目にして衝撃を受け

 ました。被害の矮小化によって患者さんは行き場

 がなくなり、社会から見捨てられ、「棄民」となり

 忘れられてしまいます。


 専門家が自分の言葉に責任を持たなくなって

 きていると感じます。


 東日本大震災と福島第1原発事故以来、子供の

 健康を心配する人を対象とした相談会を毎月、

 福島県で開催してきました。

 
 「健康被害は出ない」という意見がありますが、

 少なくとも現時点では断定することはできない

 でしょう。ヒ素ミルク事件でも、その後40年間の

 経過を追跡して、やっと「大丈夫だったね」と言え

 たのです。


 実は、疫学的対策に関して日本は非常に遅れて

 いる国なのです。


 水俣病のような例でも水銀中毒に関する情報や

 文献資料を1カ所で蓄積して備えておくことは

 非常に重要ですが、実際には大学の研究室や、

 個人が出資して作った機関などで管理されて

 います。国家レベルの公衆衛生上非常に重要な

 情報が、民間にバラバラに蓄積されているのは

 本来おかしいこと。広範な領域で疾病や被害が

 発生した時に、対応できる体制や発想がないの

 です。


 公害や災害をきっかけにいろいろな問題が見えて

 きても、その教訓が生かされないまま同じことが

 繰り返され、加速しつつあるのではないかと懸念

 してしています。
 




八王子中央診療所理事長・小児科医 山田 真 氏

八王子中央診療所理事長・小児科医 山田 真 氏

「日経ビジネス」 2014.12.08 号 P.001




キーワードは、癒着と無責任さです。


製薬会社や食品メーカーなどと、病院や医師の癒着。
専門家が無責任な発言を繰り返す。


この構図は、スポンサー企業とテレビ局との関係に
酷似しています。東電福島第1原発事故が発生する
まで(実際には度々事故を起こしていました)、テレビ
は原発事故を報道してきませんでした。


それは、東電はじめ全国の電力会社がテレビ局の
大スポンサーだったからです。


医療専門家といえども、診療科目が異なれば、
専門家ではないはずですが、本人は「専門家」きどり
になり、テレビ局も「専門家」扱いしています。


「棄民」という言葉は悲しい響きを伴っていますね。
棄てられた民ですよ。人間扱いされていないのです
から。


山田さんのように、被災地へ国や自治体の支援を
受けず、自主的に地道な支援活動を行なっている
医療関係者がいます。ところが、そういった人たち
の活動を報道することはめったにありません。


視聴率を稼げないからです。スポンサーもつかない
からです。


これから暮れにかけて、芸能人が「炊き出し」に
出かけることがあると思います。声を大にして
行なうことではないはずです。善意で行なって
いればよいのですが、必ずしもそうではありま
せん。


テレビ局スタッフが同行し、番組の1コマとして
「演出」という名の「やらせ」を堂々とすることに
なります。


芸能人が皆、そうだとは言いません。
自主的に、純粋にボランティア活動を定期的に
している人もいると思います。ですが、こうした
支援活動は報道されません。


それは、「画(え)」にならないからです。


ボランティア活動と言えば、東日本大震災後、
多くの人たちが被災地を訪れました。
バスに便乗して、数日間活動しました。


その気持ちや行動は評価されてよいはずですが、
残念なことに、現地の人たちが切実に求めている
ものは何なのか、理解していない人たちが多く、
かえって足手まといになっていたという事実が
あります。


ただ闇雲の行動すればよいということではあり
ませんし、かっこいいからとか、流行りだから
という安易な気持ちでボランティア活動をしては
いけない、と思います。


ちょうど、医師が患者の気持ちを十分に理解でき
ないように、ボランティア活動をする人が被災者の
気持ちを理解できないし、理解しようとしていない
からだ、と思います。


私は被災地を一度も訪問したことがありません。
ですから、偉そうなことは言える立場ではありま
せん。自戒の念を込めてお話ししました。





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藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

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このブログは、30年近く年間購読している『日経ビジネス』の有訓無訓から印象に残った言葉をご紹介するブログです。

優れた経営者が発する言葉には、実績に裏打ちされた重みがあります。私だけではなく、きっとあなたも刺激を受けることでしょう。

『日経ビジネス』は週刊誌ですので、週に一度は必ずブログを更新します。その他、関連したことなどがあれば、掲載していく予定です。

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