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何事にもなすべき時がある 仕事にロマンを感じ 深く考え、熱く行動  2015.07.13





何事にもなすべき時がある
仕事にロマンを感じ
深く考え、熱く行動


遠山 敦子(とおやま・あつこ)氏
[元文部科学相 公益財団法人トヨタ財団理事長]





今週の言葉


 旧文部省に女性キャリア官僚第1号として入省し、

 文化庁長官や駐トルコ大使などを経験して、

 小泉純一郎内閣で文部科学相を務めました。

 前例にとらわれない仕事を幾つも重ねながら、

 よく生き抜き、今に至ったと思う時があります。


 新米課長として情報図書館課長に就いた時に

 全国の大学を国際的なデータベースにつなげる

 学術情報のネットワークシステム作りに乗り出し

 ました。

 今から40年近く前のことで、上司にシステム構築

 の必要性を説いてもはじめは全く理解されません

 でした。役人の世界の常識では、上司に「ノー」を

 突き付けられたら「終わり」を意味したのですが、

 「それなら理解してもらえるために工夫しよう」と

 考えました。そこで、漫画を描くのが得意な方に頼み、

 システムのイメージをイラストに仕立ててもらったの

 です。上司や自民党の先生方などに賛同をいただき、

 このシステムは日の目を見ることができました。


 大臣時代で象徴的なのが、2002年1月に基礎教育の

 重要性などを訴えた「学びのすすめ」を出したこと。

 この年の4月から実施される予定の新学習指導要領に

 基づく学校教育は、いわゆる「ゆとり教育」と称されて

 いました。


 私は「このままゆとり教育路線を実施しては禍根を残す」

 と判断し、「確かな学力の向上に努めるべし」というメッ

 セージを教育界に発したのです。

 ゆとり教育推進派の方々からなどの反論や批判もあり

 ました。それでも、「何事にもなすべき時がある」との信念

 が揺らぐことはありませんでした。


 静岡高校、東京大学時代と周囲が男性ばかりの環境で

 過ごしたこともあり、1人で深く考え、その後に周辺を巻き

 込む習慣が身に付いていたことも身を助けました。

 難題に直面すると、私はいつもまず1人で熟慮しました。

 困難であるほどやりがいがあるからです。

 考え抜いている間にひらめく瞬間がある。直ちに専門家

 などと相談しながら解決までの戦略を描くのです。

 決めたら逃げずに断行、壁ができたら説得して突破して

 いく。過去にとらわれていては未来の展望は開けません。

 若い方に伝えるとしたら「仕事にロマンを感じ、深く考え、

 熱く行動せよ」でしょうか。

 




元文部科学相 公益財団法人トヨタ財団理事長 遠山 敦子 氏

元文部科学相 公益財団法人トヨタ財団理事長
遠山 敦子 氏

「日経ビジネス」 2015.07.13 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






キーワード

キーワードは、 考え抜く です。



私たちはすぐに解決できないと思うと、
考えることをやめてしまいがちです。


ですが、遠山さんは考え抜いて、
信念を持てるまでに到達したら、専門家に相談し、
戦略を立てるそうです。


そして、最終的に自分で決め、決めたら実行する
―― 「自調自考自動(自分で調べ、自分で考え、
自ら行動する)」です。これは私の造語です。


正確に言いますと、「自調自考」は渋谷教育学園幕張
の教育方針をスローガンにしたものです。


学生のうちは、「自調自考」でよいかもしれませんが、
社会人になれば、これだけでは不十分です。
行動し、成果を出さなくてはなりません。


それで、「自動」を加えて「自調自考自動」としました。


まず、考え抜くことが大切です。
自分で考えたことに不備はないか、あれば何か。
それを知るために調べたり、専門家(詳しい人)に
質問し、課題を解決していきます。


あとは、行動あるのみ。


「仕事にロマンを感じ、深く考え、熱く行動せよ」
遠山さんのこの言葉は、若い人たちだけに当てはまる
ことではありません。


何歳になっても必要な心意気です。




ポイント

ポイントは、
 何事にもなすべき時がある 
です。



タイミングは大事ですね。
一度そのタイミングを失うと、二度目は、永久にやって
来ないかもしれません。


チャンスは誰にでもやってきますが、そのチャンスを
掴めるか掴めないかは、普段からの準備にかかって
います。


今、目の前にあるチャンスは二度とやってきません。
どんなことがあっても逃してはならないのです。


泥縄式(リアクティブ)ではチャンスを失います。
プロアクティブであることが、身を助けることになります。


毎日の少しずつの積み重ねが、時の経過とともに、
大きな成果を生み出します。


「1万時間」が何かのヒントを与えてくれるでしょう。
1日3時間ずつ継続して365日経つと、約1000時間に
なります。10年ですと約1万時間です。


アルクの「ヒアリングマラソン」という講座があります。
生の英語を毎日3時間ずつ1年継続して聞き続けると、
1000時間になります。


「1000時間英語を聞くこと」をアルクは奨励しています。


1000時間に達すると、英語耳ができるということです。
相手が言っていることが理解できなければ、話すことが
できないのは自明です。



私たちの普段の会話の中で、「一つのことを10年続け
たら、身に付けることができるよね」という言葉が出て
くることがありますね。


これが「1万時間」と10年との関わりです。


「10年、1万時間」


あなたは10年以上継続していることはありますか?


今までお話したことと少し異なるかもしれませんが、
私は『日経ビジネス』を、30年間定期購読しています。


30歳になってから購読し始め、先月末還暦を迎え、
30年になりました。もちろんこれからも購読し続けます。


「継続は力なり」は真実です。






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藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

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このブログは、30年近く年間購読している『日経ビジネス』の有訓無訓から印象に残った言葉をご紹介するブログです。

優れた経営者が発する言葉には、実績に裏打ちされた重みがあります。私だけではなく、きっとあなたも刺激を受けることでしょう。

『日経ビジネス』は週刊誌ですので、週に一度は必ずブログを更新します。その他、関連したことなどがあれば、掲載していく予定です。

よろしくお願いします。


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