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社員の没個性は経営の責任 「良い人生」を送るために 仕事と健全な距離を保て  2015.06.29





社員の没個性は経営の責任
「良い人生」を送るために
仕事と健全な距離を保て


槍田 松瑩(うつだ・しょうえい)氏
[三井物産顧問]





今週の言葉


 最近の商社マンは、私から見ると、何となく同質化

 していることが気がかりです。

 「モノトーン」とでも言いましょうか。

 三井物産に限らず、大きな会社ほど、昔に比べ、

 社員は上司が要求することに従順に応えてばかりで、

 個性をあまり感じません。


 私たちが若かった頃は、会社はこう言っているけど

 現場はこうだ、と意気込んでいました。

 最近はそういう強い個性を会社が許容しなくなった

 のかもしれません。会社が、社員に機械のような仕事

 の仕方を要求してしまっている。

 若い人が個性を発揮できないのは、むしろ、経営の

 責任です。


 もちろん、コンプライアンスに抵触するような行為は

 決して許されません。実際、私も社長時代に国後島

 発電所の不正入札事件やディーゼル車の排ガス浄化

 装置のデータ捏造事件を経験していますから、

 「コンプライアンスなくして仕事なし」と社内に強くメッセ

 ージを発信し続けてきました。

 しかし、ある意味ではトゥーマッチになってしまっている

 のかもしれません。コンプライアンスと個性を重んじる

 経営は両立できると思いますが、何でも上にお伺いを

 立てなければならない雰囲気が広がりすぎてしまった。


 本質的に大切なことは会社と社員、上司と社員の信頼

 関係です。リスクにいくら備えても、将来のことは結局

 あまり分からない。それならば、最後には社員の熱意を

 信じて現場に任せ、きちっと仕事をしてくれる人を養成

 していくしかないのです。


 効率を少々犠牲にしても、面白い人材を育成しようと

 もっと努力すべきです。社員に個性がないことを嘆く前に、

 まずは会社がリスクを取って、社員を信じて、任せる。

 それをして初めて、社員はその信頼に応えようと成長

 するのです。

 一方、社員の側にも忘れてはならないことがあります。

 それは、仕事との健全な距離感です。

 仕事に燃え上がることも大切ですが、前のめりになり

 すぎては、個性的で面白い人材にはなれません。


 結局のところ、視野を広げ個性を磨くことは、

 良い人生を送る上でも必要です。

 仕事で成功するだけが「良い人生」ではありませんよ。

 私も今、仕事と距離を取れたことで、これからは自分が

 興味のあることに時間を割けると思い、ワクワクして

 いるんです。

 




三井物産顧問 槍田 松瑩 氏

三井物産顧問 槍田 松瑩 氏

「日経ビジネス」 2015.06.29 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.29





今回登場した人物の名前が読めませんでした。
そこで、インターネットで調べ、ようやく確認できました。


槍田 松瑩氏がうつだ・しょうえい氏とは、知っている人しか
恐らく読めないのではないでしょうか?





キーワード

キーワードは、 没個性 です。



没個性はある程度仕方がない、と考えています。
日本の教育制度が画一化していて、「個性」を
重視しない金太郎飴的な人間を生産してきた
からです。


没個性になった理由には2つある、と考えて
います。


1つ目の理由は、個性的な人は、異星人
あるいは異邦人、時には変人扱いされて
きましたので、多くの人たちも個性を出さ
ないようになってきたからではないか、
ということです。


「個性的である」と見なされることは、損すること
とイコールであるという数式が成り立っていたの
です。


もう一つの理由は、個性がある人間は仲間はずれ
にされたり、いじめの対象となるからです。
集団から孤立することを最も恐れたからです。


「ゆとり教育」は、ただ授業時間や科目を減らした
だけで、各人の個性を磨くための教育ではありま
せんでした。




ポイント

ポイントは、
 良い人生 
です。



槍田さんは、
「仕事で成功するだけが『良い人生』ではありませんよ」
と述べています。


ワーク・ライフ・バランスという言葉をときどき見聞き
します。仕事と生活のバランスをどう取るかということ
です。仕事優先なのか、生活優先なのかということ
です。


家庭を顧みず、仕事優先になれば家族との絆が弱まり、
最悪の場合には切れてしまうこともあるでしょう。
さりとて生活(プライベート)優先となれば、会社はその
人を責任あるポストに就けるわけにはいかないでしょう。


どちらを選択するかは、各人の考え方次第です。
ただし、若いうちは仕事に励むべきだと思います。
後の人生のために、技術やノウハウを身につけるべき
だからです。定年間近になってからでは遅すぎます。


起業することがブームになっています。
大いに結構だと思います。
待遇に不満があり、自分の能力に自信があるので
あれば、思いきって会社を飛び出すのも良いでしょう。
人生は一度しかないのですから、「あの時やっておけば
よかった」と後悔する前に、チャレンジするべきです。


やらずに後悔するよりも、やって後悔するほうがずっと
いいですよね。


成功するか失敗するかは、チャレンジしたかどうかで
決まります。


チャレンジしなければ、失敗しませんが、成功もあり
ません。長いようで短く、短いようで長い人生をどう
生きるかが、問われていると思います。


私はあと1日で還暦を迎えます(全く自覚がありません)。
今までの人生を振り返ってみますと、「あの時、別の道
を選択していたら、もっと良い人生を送れたかもしれない」、
という気持ちは正直あります。


ですが、心身共に健康であれば、これからまだ数十年
生きるわけです。であるならば、若いうちに出来なかった
ことにチャレンジしたい、と考えていますし、現に毎日
チャレンジし続けています。


ブログを毎日投稿することや、自宅で筋トレすることも
チャレンジです。他人の目を気にするチャレンジではなく、
心の中のもう一人の自分へのチャレンジです。
自分との闘いです。
自分の弱さに対するチャレンジと言い換えられます。


心身ともに40代後半よりベターである、と自信を持って
言えます!


あなたはチャレンジしていますか?






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本社を出されて触れた異文化 米国流の合理主義が 危機を乗り越える原動力に  2015.06.22





本社を出されて触れた異文化
米国流の合理主義が
危機を乗り越える原動力に


持田 農夫男(もちだ・のぶお)氏
[日立製作所取締役]





今週の言葉


 経営者になるとは、全く思っていませんでした。

 日立金属で技術者として生きるのは居心地が

 良かったし、そのまま60歳まで勤めれば一つの

 完結した人生になるかなと。

 経営の一翼を担うことになった際、何が評価された

 のか振り返りました。

 思い当たったことは、異文化体験に恵まれたこと

 です。


 31歳の時、私は米国に追い出されました。

 組合活動に力を注いでいたので、会社からすれば

 目障りでしょう。義理の親父は事業部長、仲人は

 工場長という立場で突っ張っていましたから。

 追い出されたのは、いわばパニッシュメントですね。


 日本人は私だけ。組合活動で英会話の研修を

 さぼっていたから、英語も話せない。

 それでも本社は、何とか立て直せと命令してくる。

 現地社員の帰宅後や土日を使って、生産性改善など

 何でもやりました。休んだのはクリスマスだけ。

 その努力のかいあって、1年半で黒字になりました。

 これが、経営者としての私の原点です。

 日本の大きな組織にいたら、経営の勘を若くして身に

 付けることはできなかったでしょう。

 特に、米国的な合理主義は、その後の会社人生に

 おいて重要な判断基準になりました。


 日本に戻りしばらくすると、また外に放り出されました。

 日立金属が住友特殊金属を買収してNEOMAXをつくった

 時に、常務として転属したのです。

 ところが、業績が回復すると、再び日立金属に兼務で

 呼び戻されました。その1年後の2006年に、社長になり

 ました。


 日立金属の社長時代に一番苦しかったのは、リーマン

 ショックです。


 事業規模をもっと拡大する必要性を痛感したのは、

 この時です。リーマン前には7000億円ほどあった売り

 上げは、5500億円程度までしか戻りません。

 1兆円はないと、経営は安定しないと考えました。

 その後の日立電線との合併は、こうした流れの中に

 あった話です。


 今、私は日立金属の親会社である日立製作所の取締役

 として、監査委員をしています。

 リーマンショックを乗り切った功績が評価されたのか、

 2010年から昨年まで日立製作所の副社長としてグループ

 経営に携わりました。

 




日立製作所取締役 持田 農夫男 氏

日立製作所取締役 持田 農夫男 氏

「日経ビジネス」 2015.06.22 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.22





キーワード

キーワードは、 異文化体験 です。



持田さんは若い時から、海外へ出されました。
しかも、日本人は持田さん一人。
そんな追いつめられた環境の中に(?)放り出され、
本人がどのように解決するか、会社は試したのでしょう。


将来、会社を支えていける人物かどうか見極めるため
だったのかもしれません。


こうした状況で、本人がどう感じ、どう行動するかで現状
が好転するかさらに悪化するか、決まります。


持田さんの体験とは大きく異なりますが、私にも異なる
意味の「異文化体験」があります。


20年近く勤務した会社が、合併することになりました。
吸収合併された会社に在籍していた私は、そこで経理を
担当していましたが、在庫管理・出荷業務の現場に出され
ました。それもその現場の責任者ではなく、肩書だけ課長
でも、在庫出荷作業員の一人としてです。


持田さんが言われた「パニッシュメント」です。
いえ、私にとっては左遷でした。
退社するか、不当な異動を受け入れるか、の2つの選択肢
しか残されていませんでした。


私は異動を受け入れました。
通勤時間は、ドア・ツー・ドアで片道2時間半、往復で5時間
でした。しかも、忙しい時期は、夜11時頃になることもしば
しばあり、帰宅時間は午前1時過ぎになることもありました。
睡眠時間は数時間で、早朝出勤が当たり前でした。


異動当初、現場では周囲の人たちから冷ややかな態度を
とられ、四面楚歌の状態でした。


一時、このままでは精神的に参ってしまうので、いっその
こと退社してしまおうかと考えたことがあります。
ですが、思いとどまりました。


今は逆風が吹いているが、いつか必ず、逆風が止む時が
来る、と考え直したからです。


考え直すことができたのは、家族の理解と協力があった
からです。


ふたまわり近く若い人たちと、在庫出荷業務に精を出す
ことに決めました。開き直りでした。


最初は皆から敬遠されていましたが、黙々と皆んなと
同じ作業(必ずしも仕事とは言えない)をしているうちに、
周囲の態度に変化が現れてきたことに、気づきました。


たわいない話でも、若者たちが気さくに声をかけてくれる
ようになったのです。いつの間にか「ラポール(信頼関係)」
が築かれたのでしょう。


心が通じあうようになったのです。
今、振り返ってきますと、自分にも本社にいたという驕り
がどこかにあったために、周囲から冷たい目で見られて
いたのかもしれないな、と反省しています。
そんな気持ちを見透かされていたのでしょう。


そうした気持ちや態度が、周囲の人たちを遠ざけていた
理由だったかもしれません。


結局、現場には1年半いました。
会社は、私がすぐに音を上げ、自己都合退職するものと、
たかをくくっていました。


ところが、一向に辞職しようとしない私に、リストラのため、
会社は割増退職金を支払うという条件を出してきました。
私は、退職勧告を受け入れ、退職しました。


現場で一緒に働いた人たちは、私が現場を去ることに
残念がってくれました。現場で働いていて、こんなに嬉しく
感じたことはありませんでした。


今では、そうした貴重な体験をしたことを誇りに思って
います。リストラされましたが、それ以上に大切なことを
学んだからです。年齢差は関係なく、現場の皆んなに溶け
こんでいこうとする姿勢が大切なのだ、と実感しています。


こうした体験から学んだことは、本を読んだり、他の人から
話を聞いただけでは、決して得られないことです。


無駄ではなかった、とつくづく感じています。




ポイント

ポイントは、
 経営者は生まれるのではなく、作られる
です。



持田さんは、日本人は持田さん一人の会社に「追い出され」
ました。「社員30人ほどの大赤字の町工場に、肩書も権限
も与えられないまま放り出された」(P.001)そうです。


そんな最悪の条件下で、持田さんは必死に考え行動し、
「休んだのはクリスマスだけ」で、「1年半で黒字になりました」
と語っています。


それが、「経営者としての私の原点」と述べています。
会社は持田さんならできると見込んで、事に当たらせたと
思います。持田さんは腐らず、現状に真正面から対峙し、
何がなんでも成し遂げてみせる、という強い決意で臨んだ
と思います。


そのように考えますと、経営者は生まれるのではなく、
作られるのだ、という気持ちがいっそう強くなります。


あなたはどう思われますか?






今週の言葉(『日経ビジネス』の有訓無訓から)


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大事なのは人間関係 一度信用されれば 横に広がっていく  2015.06.15





大事なのは人間関係
一度信用されれば
横に広がっていく


廣瀬 恭久(ひろせ・やすひさ)氏
[エノテカ会長]





今週の言葉


 ワインビジネスは「契約書のない世界」と言われています。

 だから大枚をはたけば誰でもおいしいワインを買い占め

 られると思われがちですが、そうとは言い切れません。

 この世界で何よりも大事にされるのは人間関係です。

 だからこそ私のようなニューカマー(新参者)でも商売が

 できた。そこに面白さがあります。


 世界中にはおいしいワインがたくさんあり、それを日本にも

 紹介したいという思いが高じて起業したようなものです。

 
 とはいえ、当初は苦労しました。有力なワイナリー(ワイン

 の醸造所)は日本の大手が囲い込んでしまっていて、

 なかなか入り込めません。大半のワイナリーは家族経営で

 横のつながりが強い。一度認めてもらえればそのコミュニ

 ティーに入っていけますが、その最初のきっかけがつかめ

 なかったのです。


 当社はワインのインポーターであり、卸でもあり、そして自ら

 リテール(小売り)まで手掛けてきました。

 とりわけ「卸がショップをやるなんて言語道断だ」と周囲から

 猛反対を受けました。でも、他人と違うことを恐れる必要は

 ないのです。何か新しいことをやろうと思えば、必ず反発が

 生じます。


 店のデザインにもものすごく凝りましたよ。今でこそ似たような

 業態の店はありますが、エノテカの個性は簡単にはまねでき

 ません。苦しんで、苦しんでゼロから自分で作り上げたから

 こその強みがあるし、その後に残るものがあると思っています。


 日本人は味覚が敏感なのでワインを楽しむ素養があります。

 今では老若男女がワインを楽しむようになりましたよね。

 私は一人のワインラバー(愛好者)として、それが何よりもうれしい。

 当社は今年3月末にアサヒグループホールディングスの傘下に

 入りました。


 今後は後進を育てながら、毎日、うまいワインを飲んでいきたい

 ですね。

 




 エノテカ会長 廣瀬 恭久 氏

エノテカ会長 廣瀬 恭久 氏

「日経ビジネス」 2015.06.15 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15





キーワード

キーワードは、 人間関係 です。



たとえ、企業間取引であっても、企業を構成しているのは
人間です。人間関係がスムーズでなければ、取引もうまく
回っていかないでしょう。


信頼関係は、契約書を取り交わすことで成り立つとは
限りません。契約に至るまでの相互信頼・相互信用が
根底になければ、契約はすぐに破棄されることになります。


人間関係の根底にあるべき、信頼・信用は、人種間や
民族間を問わず、成立するものだ、と信じています。




ポイント

ポイントは、
 世界中にはおいしいワインがたくさんあり、
それを日本にも紹介したいという思いが高じて
起業したようなものです

という心意気です。



最初から、儲けようという動機で起業したら、
上手くいかない、と思います。


廣瀬さんは起業の動機を次のように語っています。

「ワイン専門の輸入商社であるエノテカを創業したのは

 1988年です。前年に父親が、経営していた半導体関係

 の会社を売却。次は何をしようかと考えていたところ、

 昔から好きだったワインに目が留まったのです。

 ワインって1人でちびちび飲むというよりは、大勢で楽しく

 飲むお酒です。ワインの周りには仲間がいて、ほほ笑み

 があり、底抜けに楽しい。世界中にはおいしいワインが

 たくさんあり、それを日本にも紹介したいという思いが

 高じて起業したようなものです」


純粋な動機で起業した廣瀬さん(エノテカ)は、世の中に
認められたのだ、と考えています。


もちろん、起業後の廣瀬さんの頭からは採算性が一時も
離れることはなかっただろう、と推測しています。


せっかく起業し、東証2部銘柄にまで成長したエノテカが
倒産しては元も子もありませんから。ワイン愛好家にも
投資家にも多大な迷惑をかけることになります。


その後、本文にもあるように、アサヒグループホール
ディングスの傘下に入りました。


今後は、大きな後ろ盾を得て、財務面でも安心して事業を
継続していくことができるでしょう。


私はワインに限らず、アルコール類はほとんど口にしません
ので、詳しいことは分かりませんが、フランスワインのボルドー
やブルゴーニュはおいしいのでしょう。


もちろん、どんなものにもピンからキリまであるのは、
言うまでもありませんが。


カカオの含有量の多いチョコレート同様に、ワインには抗酸化
作用の強いポリフェノールが含まれていることは、知識として
理解しています。


ただし、ポリフェノールにも種類があるそうです。
チョコレートに関する記事が『日経ビジネス』(2015.06.15 号)
に掲載されていました。



 カカオポリフェノールの主成分は、りんごに多く

 含まれているポリフェノールと同じ「プロシアニジン類」

 と呼ばれる物質である。プロシアニジン類は、

 カテキンやアントシアニンなど、他のポリフェノールと

 比較しても強い抗酸化作用を持つ。

 

  (前掲誌 P.136)



ワインは飲んでいませんが、カカオの含有量70%の
チョコレートを定期的に食べています。


ちなみに、「エノテカ」とは、イタリア語で「ワインの箱、棚」
の意味だそうです。





今週の言葉(『日経ビジネス』の有訓無訓から)


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実情を知るのは現場 その意見を聞かなければ 経営の判断を誤る  2015.06.08





実情を知るのは現場
その意見を聞かなければ
経営の判断を誤る


野木森 雅郁(のぎもり・まさふみ)氏
[アステラス製薬会長]





今週の言葉


 旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業が合併して

 アステラス製薬が誕生して、この4月に10周年

 を迎えました。

 私が手にしているのは、合併のアドバイザーを

 務めた会社から贈られた、「ツームストーン」と

 呼ばれる記念品です。


 社長に就任したのは、合併から1年余りしかたって

 いない2006年6月。


 社長になって肝に銘じたのは、自ら心がけ、周囲

 にも求めてきた「現場主義」の遂行です。

 現場主義といっても、よく言われる3現主義、

 すなわち、「現場」に出向いて「現物」に直接触れ、

 「現実」をとらえるといったものではありません。

 日々訪れる意思決定の局面で、現場を最もよく

 知っている人の意見を聞き、それをベースに判断

 するというものです。


 企業ではポジションが上になるほど、権限が

 大きくなり、自分で決められる範囲が広がります。

 自己顕示欲の強い人は部下の意見を聞かずに、

 自分だけの考えで判断を下そうとしがちです。

 それではダメでしょう。


 どの会社でも同じだと思いますが、大きな組織には

 いろいろな能力を持った人が集まっています。

 そうした人を生かさなければならない。

 その意味でも、意思決定を求められる時には、

 有能で、かつ懸案について実情を最もよく知っている

 人の意見を聞く。

 その姿勢を社長になってからも続けようと改めて胸に

 刻み、実行してきました。


 同じような人間ばかりではやれることは限られると。

 部下も自分と息が合う人ばかりを選んではいけないんだ

 と痛切に思いました。

 




アステラス製薬会長 野木森 雅郁 氏

アステラス製薬会長 野木森 雅郁 氏

「日経ビジネス」 2015.06.08 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.08





キーワード

キーワードは、 現場の意見 です。



私は、最初、3現主義を思い浮かべていました。
「現場」「現物」「現実」です。
現場に足を運び、現物を見て、現実を確認する、
直視するというものです。


ところが、野木森さんは3現主義のことではない、
ときっぱり発言しました。


 「現場主義といっても、よく言われる3現主義、

 すなわち、『現場』に出向いて『現物』に直接触れ、

 『現実』をとらえるといったものではありません」。


 現場をよく知っている人の意見をよく聞くことだ大事
 だ、と述べています。


 どの会社でも似たようなものでしょうが、本社勤務
 の人たち(お偉いさん?)は現場から最も遠い存在
 で、現場のことは現場からのレポートを読んで知って
 いる程度であるにもかかわらず、すべて把握している
 と勘違いしているケースが多々あります。


 私は過去、6業種6企業(商社、自動車業界、出版業界、
 建設業界、和菓子業界、介護業界)に勤務した経験が
 ありますが、どこも同じようなものでした。


 職種は経理と営業、在庫管理の3つですが、経理が最も
 長く、通算で約26年、営業が6年、在庫管理が1年半です。


 本社の人間は自分たちの方が、現場の人間より優秀で
 あることを鼻にかけ、威張って見せるだけで、現場のこと
 をほとんど理解しようとしませんでした。


 ですから、現場の本質的な問題(=全社的な問題)が、
 何一つ理解できず、解決できなかったのです。


 私は、現場も本社勤務も経験しましたので、両方の立場
 の違いと実態が掴めました。残念ながら、十分な成果に
 結びつけることはできませんでしたが・・・・・。




ポイント

ポイントは、
 本部、本社は現場から最も遠いロケーション 
です。


この言葉の意味は、物理的にも心理的にも現場から
最も遠い場所に位置している、ということです。


現場責任者は、本社の方を向いて仕事をしている
ケースがあるため(本社勤務を希望しているため?)、
現場の実情を率直に伝えることができていないことが、
ままあります。


本社側の人間は、上から目線で、一方、現場側の人間
は劣等感から面従腹背するか、むやみに反発するか、
のどちらかの態度を示します。


本社の意見をすべて受け入れ、従順な態度を示すだけ
が現場の人間がすることではありません。


現場を知悉するからこそ、現場の意見を率直に述べる
ことができなければ、また本社はそうした雰囲気を醸成
できなければ、真の問題解決には至らないでしょう。


本社は、間接部門ですから、利益にほとんど貢献して
いないことをもっと自覚するべきです。


現場が利益を生み出しているのです。
売上や利益の源泉は現場にあることを、もう一度、
考え直してみる必要があります。





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大手から革新が生まれない 小さい組織の新しい発想を 大切にしていきたい 2015.06.01





大手から革新が生まれない
小さい組織の新しい発想を
大切にしていきたい


木村 眞琴(きむら・まこと)氏
[ニコン代表取締役会長]





今週の言葉


 大手企業からなかなかイノベーションが生まれてきません。

 革新的だった企業も大きくなると、過去の延長線上で物事

 を考えるようになり、社員は効率のいい歯車になる。

 まったく新しい製品やビジネスは既存の顧客との関係を

 壊しかねないから、あえてイノベーションが起きないように

 していると言ってもいい。

 こうしたしがらみと無縁の小さな組織の発想を、大手に

 なっても生かし続けられるかが、企業発展のカギだと思うの

 です。


 それを痛感したのが1990年代前半、米ベンチャー企業から

 の技術導入にこぎつけた経験です。


 この米企業が開発したのが、パソコン本体に差し込んで

 持ち運びできる、超小型のフィルムスキャナーです。

 
 この米社製品は、ランプではなくLEDを採用するアイデア

 で冷却装置を不要にし、一気に大幅な小型化に成功。

 画質は大型より悪いですが、業者にいちいちお願いしな

 ければならなかったスキャンがどこでも可能になります。


 社内でその技術導入を提案したら、開発チームから

 「画質に問題がある」と反発を受けました。これまでカメラ

 やスキャナーは、画像がいいほど売れるはずと信じて

 やってきたのですから、当然でしょう。

 私は「自分たちの価値観で判断するな」と強く主張。

 結局、社内で技術導入を認めさせたんです。

 そして、ニコンの生産技術を組み合わせて商品化し、

 持ち運べるスキャナーという、新たな収益源となる市場を

 生み出しました。

 もちろん当時、ニコンは既にカメラ大手でしたが、

 小さい組織や個人の言うことに耳を傾ける大切さを、

 よく分かっていたのだと思います。


 90年代終わりの、フィルムからデジタルカメラへの移行の

 際も猛烈な議論になりました。

 やはり、問題になったのはデジカメの画質の悪さ。


 デジカメの画質は飛躍的に改善していったのですが、

 当時、あくまでフィルムにこだわっていたら、今頃どうなって

 いたでしょうか。


 そのデジカメも今、カメラ付きスマートフォンに市場を侵食

 され、苦戦しています。ネットワーク社会になる中で、

 カメラはどうあるべきか、まったく違った発想が求められて

 います。

 小さい組織や個人から生まれる革新的で破壊的なアイデア

 を大切にし続けられているかどうか。

 今一度、見直すべき時期が来ているのかもしれません。

 




ニコン代表取締役会長 木村 眞琴 氏

ニコン代表取締役会長 木村 眞琴 氏

「日経ビジネス」 2015.06.01 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01





キーワード

キーワードは、 イノベーション です。



シュンペーターが生み出したイノベーションという言葉と概念
は使い古された感がありますが、どうしてどうして、現在でも
極めて重要な考え方であり続けています。


なぜなら、組織が大きくなると、変化を嫌い、変化しづらくなり、
マンネリ化してくるからです。そこからは新しい発想は出て
きません。物事を延長線上で考えるようになり、それが当然
と捉える空気が支配するようになります。


創造的破壊という言葉が示すように、既存の考え方を破壊
しなければなりません。これが心理的な壁を作り出します。
「今までうまく行っているからこのままでいいじゃないか」
という考え方が支配的になってくると、危険な徴候です。


その点、小さな組織は機動性に富み、実験を繰り返し行なう
ことが可能になります。仮説と検証を何度でも繰り返すことが
できるのです。そうした繰り返しの中から、今まで世の中に存在
しなかった画期的な製品が生み出されることがあります。




ポイント

ポイントは、
 小さい組織や個人の言うことに耳を傾ける大切さ 
です。


「小さなアイデアでも潰さないこと」です。
いくつかの小さなアイデアを組み合わせることによって、
革新的製品が生まれることがあります。


よく例に挙げられるは、3M(スリーエム)の「ポストイット」
誕生のエピソードです。


研究者のアート・フライは、コーラスのメンバーで賛美歌
を歌っていました。楽譜をめくる時、栞[しおり]が落ちて
しまうことにいつも不満を持っていました。


「何とかならないものか」と社内の至る所に声をかけて
いました。


もう一人の研究者、スペンサー・シルバーは、
世界一強力な接着剤を開発する研究を続けていました。
ところが、どういうわけか、付けても剥がれてしまう接着剤
ができてしまいます。つまり、失敗作だったのです。


シルバーも、フライ同様に社内に「こういう製品ができたん
だが、何か使い道はないか?」と尋ね回ったのです。


そんな二人が出会ってできたのが、「ポストイット」だった
のです。ちなみに改良を重ね、製品化するのに5年の歳月
が必要だったそうです。


現在の言葉で言えば、「共創」が当てはまるかもしれません。
さらに言えば、シルバーはセレンディピティを体験したのです。


二人のアイデアが実を結び、出来上がった「ポストイット」は
3Mの看板商品となりました。





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藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

新・大前研一名言集(改)日経ビジネスのインタビュー(FC2ブログ版)医師、看護師、薬剤師の秘密などのブログを運営しています。

このブログは、30年近く年間購読している『日経ビジネス』の有訓無訓から印象に残った言葉をご紹介するブログです。

優れた経営者が発する言葉には、実績に裏打ちされた重みがあります。私だけではなく、きっとあなたも刺激を受けることでしょう。

『日経ビジネス』は週刊誌ですので、週に一度は必ずブログを更新します。その他、関連したことなどがあれば、掲載していく予定です。

よろしくお願いします。


   藤巻隆(ふじまき・たかし)

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